抄録
海底地形を測量するために用いられる音響測深記録を利用して底質粒径特性の平面分布を把握する方法の外海に面した砂浜海岸に対する適用性を検討するとともに,その方法を用いて地形と底質粒径特性との関係を検討した.その結果,検討した音響測深記録では,中央粒径が1mmよりも大きくなると1次反射量が30よりも大きくなることから,底面における粒径1mm以上の底質の有無の判別に本音響測深記録を用いることができそうである.観測を行った波崎海岸では,平均断面よりも深い領域において1次反射量が大きくなっていた.本海岸のおける従来の粒径調査では,トラフ領域において粒径が大きくなることが示されており,上記の結果は従来の調査結果と矛盾していなかった.