抄録
近年,地球温暖化に伴う海面上昇,台風勢力の増大が懸念され,高潮,高波による越波災害へのさらなる対策が求められている.そこで,既設直立護岸の前面に浮体パネルを設置する越波対策工法が提案された.水理模型実験から,高い越波低減効果が明示された一方で,数値解析による検討はされていない.本研究では,3次元固気液多相乱流数値モデルDOLPHIN-3Dを改良・使用して,越波低減浮体パネルの動的挙動に関する数値解析を行った.水理模型実験との比較から,浮体パネルの動的挙動,護岸前面の水面変動を高精度に再現可能であるとともに,越波低減効果を確認した.以上から,本モデルの妥当性を示した.さらに,計算結果を3次元グラフィックで描画するPOV-Ray用インターフェースを構築した.インターフェースにより,計算結果の高度な可視化が可能となった.