2011 年 67 巻 2 号 p. I_565-I_570
沿岸地域の平野部では遡上津波により住宅が被害に遭う危険性がある.このような被害を低減するために,ある程度以上の力が加わったときに1階部分の壁が壊れて柱だけになる住宅は実現可能な案であり,そうすることにより主要な津波の力を逃がすことができ,2階が無事残り,主要な財産を守ることが可能となる.ここでは,孤立波による漂流物が柱に衝突力する場合の力積が計測され,漂流物の付加質量に変換されている.衝突の位相で力積と付加質量は変化するが,力積はおよそ波高の頂点で最大となり,そこでは付加質量係数が1.0となる.これにより,もし漂流物の衝突速度を求めることができれば,住宅などの構造設計上必要な漂流物による衝突力の力積を求めることが可能となる。