抄録
本研究は,従来,制御することが難しいとされてきた超長周期波を対象にして,港口部あるいは湾口部に設けた波浪共振装置による制御効果を主に理論的に検討したものである.この際,超長周期波としては,揺り返し周期が20~30分程度の津波を想定した.算定では,現地のリアス式湾を簡単化したものを対象として,現状でよく利用されている突堤形式の津波防波堤や,これを二重構造にした矩形共振装置型防波堤およびこの装置に付加的な平行堤を設けた新型堤を湾口部に設けることによる湾内津波高の低減効果などを比較検討した.その結果,新型堤は津波の揺り返し周期が比較的長い条件下でも優れた効果が発揮できることなどが判明した.