2012 年 68 巻 2 号 p. I_1013-I_1018
東京湾は周辺に膨大な人口を抱える閉鎖性内湾であり,夏季には強い日射や淡水流入により成層が発達し,鉛直混合が抑制され,ヘドロ状の底泥が酸素を消費することで,底層に貧酸素水塊が発生する.風などの外力により貧酸素水塊が湧昇し,水生生物に影響を与えてしまうため,貧酸素水塊の発生・輸送・消費過程を理解することは重要である.しかし,過去の研究ではデカルト座標の使用による階段状の地形の発生による再現性の問題などが示されている.これらの問題を解決するために,Partial Cellが提案されている.本研究では,Partial Cellを3次元数値モデルに導入し,東京湾に対するPartial Cellの適用性の検討を行った.その結果,Partial Cellを適用することで,再現性が向上することが分かった.