2012 年 68 巻 2 号 p. I_204-I_209
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では,各地で海食崖の崩壊が起きた.本研究では,平潟漁港の南側の九ノ崎の海食崖,高戸鼻の北約1.5kmに位置する赤浜海岸での旧海食崖の滑り崩壊,さらには千葉県房総半島の浦賀水道に面した大佐和海岸での海食崖の大規模な崩壊の事例を基に海食崖の崩壊実態を明らかにし,さらに大佐和海岸では崩壊後の波による地形変化を継続観測により追跡した.GPSによる崖線と汀線の測定によれば崩壊した崖の滑り量が時間とともに増大したことが分かった.