抄録
建設から数十年経過した既設海岸構造物に対し,現在の最新の知見,実験・計測設備,解析技術等を用いて現設計の妥当性を照査することにより,合理的・経済的な補修・改修計画を策定できる可能性がある.そこで,既設の越波排水路を有する低天端護岸を対象として,不規則波水理模型実験により越波特性を再評価した.その結果,現設計は,越波量に対して安全裕度を有していることおよび越波による衝撃波力が越波排水路の安定性に大きな影響を及ぼすことがないことを確認した.また,数値波動水路(CADMAS-SURF/2D)を用いて実験の再現計算を実施し,検討対象護岸形式に対する越波特性の検討手法としての適用性を確認した.