抄録
3種類の浚渫海成粘土を用い,さまざまな含水比,セメント添加率で作製したセメント処理土の強度が時間の経過とともにどのように発現していくかを調べた.浚渫土を利用したセメント処理土の強度発現傾向は,養生時間約72時間以内では強度と養生時間が両対数上で直線関係となり,72時間以降は時間の対数と強度が直線関係となっている.今回調べた3つの海成粘土において,セメントを添加後の1時間以内の強度は,セメント粒子を固体として計算した添加後の含水比を添加前の粘土の液性限界で正規化した値によってほぼ決まっていた.一方,養生時間72時間以内における両対数グラフ上での強度と養生時間の関係の勾配は,粘土の種類によらずセメント処理土の固体分に対するセメント添加率でほぼ決まるという結果が得られた.以上の結果を用いて作製した若齢期におけるセメント処理土の強度予測式は,実験による実測強度を良好に説明した.