2013 年 69 巻 2 号 p. I_1216-I_1221
沿岸域の水環境を精確にモデリングするためには密度成層の再現が必要不可欠である.その際に乱流エネルギー散逸率を実測することは現象の解明やモデリングの鍵となる.しかし,密度躍層が発達する沿岸域においてその実測方法は未だ確立されていない.乱流エネルギー散逸率を実測する方法には乱流シアを用いる方法と水温シアを用いる方法がある.測定上の理由で密度躍層での測定には水温シアを用いる必要があるが,その沿岸域への適用性は確認されていない.本研究では,河川流入が少なく水温成層が発達しやすい鹿児島湾を対象に現地観測を実施し,上記に対する検討を行い,水温シアを用いる方法の有効性を確認することができた.