土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.29
背後に急斜面を有する陸上地形に設置された矩形構造物に作用する津波波圧特性
有光 剛大江 一也川崎 浩司
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 69 巻 2 号 p. I_419-I_424

詳細
抄録

 背後に急斜面を有する狭小な敷地に津波が遡上する場合,斜面からの反射津波など,複雑な津波外力が陸上構造物に作用することが予想される.そのため,耐津波設計においては,構造物の各面に作用する津波波圧の評価が必要不可欠である.本研究では,水理模型実験により,背後に急斜面をもつ敷地に設置された矩形構造物の各面に作用する津波波圧特性を明らかにするとともに,急斜面の有無による作用波圧の違いについて考察した.構造物と背後斜面の距離が離れている場合,入射津波作用時は正面に,反射津波作用時は背面に大きな波圧が作用することがわかった.一方で,構造物と背後斜面が近接している場合,構造物への作用波圧は,入射津波作用時に前面に作用する波圧ピークを除けば,いずれの面に対しても浸水深に応じた静水圧とみなすことができることが判明した.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top