抄録
2007年に港湾法が改正され,廃棄物埋立護岸が港湾施設とされるとともに,性能規定化がなされ,保有水などが漏出しないよう建設し,維持管理すべきこととされた.そこで,本研究では全国の主なサイトへ赴き維持管理の実態について現地踏査を行った.踏査における注目点は,処分場の全般的状況,護岸構造,管理水位,構造物の変状・劣化状況などである.現地踏査の結果にもとづき維持管理中に遮水工が損傷した場合を想定して,境界条件である管理水位および海洋の特徴である海洋の特徴である潮位変動を考慮し,Eulerian-Lagrangian FEMを活用することによって,保有水が遮水工から長期間にわたって漏出した場合の周辺海域への影響について解析を行った.