土木学会論文集B3(海洋開発)
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和文論文
石材を配置した新設護岸での藻場形成と魚介類の蝟集効果
中原 真哉大道 優平平岡 喜代典川本 康功寺脇 利信岡田 光正
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2014 年 70 巻 1 号 p. 44-51

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抄録

 石材を不均一に配置した新設護岸での藻場形成と魚介類の蝟集効果を明らかにするため,広島湾岩国市地先で施工された新設護岸と,周辺海域の藻場(本土側藻場,島嶼部藻場)で水質等の環境特性,海藻類及び魚介類の調査を行った.新設護岸の環境は,水深が浅く,波当りが小さい等,本土側藻場の環境に近かった.新設護岸の海藻湿重量と種類数は,本土側藻場を上回る傾向にあり,海藻の鉛直分布と群集組成は本土側藻場と比較的似通っていた.新設護岸で確認された魚介類は,本土側及び島嶼部藻場との共通種が多く,本土側藻場の平均確認密度をほぼ上回っていた.このような結果から,0.5~1.0m程度の石材を不均一に配置することで,藻場の形成と魚介類の蝟集効果が示唆された.これは,岩国市地先と類似した環境において適用が可能となる.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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