土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
70 巻, 1 号
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和文論文
  • 古川 琢磨, 矢吹 崇, 知崎 正純, 守谷 修一, 岡島 淳之介, 小宮 敦樹, 竹原 洋一郎, 石川 陽一, 塩原 泰, 市川 正和, ...
    2014 年 70 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
     沖ノ鳥島の漁場開発のため本提案では永久塩泉を用いた,湧昇パイプによる海洋深層水汲み上げ手法を検討している.海洋でパイプを係留する時,海流によるパイプの傾きを考慮しなければならない.本研究では沖ノ鳥島周辺海域での湧昇パイプ係留に向け,コンテナ投下法を用いた流線形湧昇パイプ展開方法を提案し,流線形湧昇パイプの展開条件の設計とコンテナ投下法を用いたパイプ展開方法の有用性評価を行った.流線形湧昇パイプの展開条件を設計するため,水槽での抗力試験で測定した流線形湧昇パイプの抗力係数を使用し海流によるパイプ挙動のモデル化を行い,流線形パイプに必要なブイの浮力の算出を行った.またコンテナ投下法の有用性評価を行うため長さ25mの流線形湧昇パイプの展開実験を行い,パイプ展開の観察とコンテナ落下運動の解析を行った.
  • 藤原 隆一
    2014 年 70 巻 1 号 p. 19-32
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/18
    ジャーナル フリー
     スリット構造と中詰石で構成される重力式消波構造物の波浪制御効果および波力特性をCADMAS-SURFを用い検討した.スリットは鉛直壁(3枚)および水平板(2枚)に設けられたが,スリットの配置を変えた4タイプについて透過率,反射率およびこれらから算出されるエネルギー損失を調べた.その結果,波エネルギーの減殺効果が大きいのは全ての鉛直壁および水平板にスリットを設けるタイプであった.このタイプについては,堤体に作用する波力も調べ,不透過構造に比べ波力が低減できることを確認し,波力の低減効果は,水平波力および鉛直波力の別に合田式に対する修正係数を用いれば精度良く算定できることを明らかにした.さらに,堤体の滑動および転倒に対する安全率を検討し,現地においても実用的な構造形式が成立することを確かめた.
  • 菊 雅美, 中村 友昭, 川崎 浩司, 水谷 法美
    2014 年 70 巻 1 号 p. 33-43
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/19
    ジャーナル フリー
     本研究では,3次元数値波動水槽CADMAS-SURF/3Dに体積力型埋め込み境界法に基づく移動物体計算手法を導入し,物体を強制的に運動させた数値計算から,導入した計算手法の妥当性と有用性を検証した.その結果,ピストン型およびフラップ型の造波特性関数に基づく造波テストでは,計算精度は造波板の振幅と最大角速度に依存するものの,目標とする規則波を良好に造波できることを確認し,導入した移動物体計算手法の妥当性を示した.さらに,ゲートの急開動作を考慮したダムブレークテストを行い,固定構造物のみを取り扱う従来のCADMAS-SURF/3Dでは計算できなかった段波背後の水面挙動が再現できることを示し,移動物体計算手法を導入したCADMAS-SURF/3Dの有用性を明らかにした.
  • 中原 真哉, 大道 優平, 平岡 喜代典, 川本 康功, 寺脇 利信, 岡田 光正
    2014 年 70 巻 1 号 p. 44-51
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
     石材を不均一に配置した新設護岸での藻場形成と魚介類の蝟集効果を明らかにするため,広島湾岩国市地先で施工された新設護岸と,周辺海域の藻場(本土側藻場,島嶼部藻場)で水質等の環境特性,海藻類及び魚介類の調査を行った.新設護岸の環境は,水深が浅く,波当りが小さい等,本土側藻場の環境に近かった.新設護岸の海藻湿重量と種類数は,本土側藻場を上回る傾向にあり,海藻の鉛直分布と群集組成は本土側藻場と比較的似通っていた.新設護岸で確認された魚介類は,本土側及び島嶼部藻場との共通種が多く,本土側藻場の平均確認密度をほぼ上回っていた.このような結果から,0.5~1.0m程度の石材を不均一に配置することで,藻場の形成と魚介類の蝟集効果が示唆された.これは,岩国市地先と類似した環境において適用が可能となる.
和文ノート
  • 寺田 幸博, 永井 紀彦, 加藤 照之, 越村 俊一, 川口 浩二, 松下 泰弘
    2014 年 70 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
     室戸岬西方沖13km水深128m地点に設置し,3年7カ月間にわたって波浪・津波・潮汐の観測に供した実証試験用GPS海洋ブイに対する揚収実験を実施した.このブイの係留系摩耗損傷状況の調査結果を報告する.実証試験期間中に台風1106号に伴う有義波高8.4mの高波などの来襲を受けたものの,ブイ尾筒下端の係留環と係留チェーンとの連結のためのシャックルの最大摩耗量は,6mm(1.67mm/年)であった.これは当初想定していた10mm/年より,はるかに小さい値であった.摩耗量が最も大きかったのは,想定のとおり,年当たり数百万回におよぶ海底との離着をする係留索立ち上がり部のリンクであり,その摩耗量は最大7mm(1.95mm/年)であった.この場合も5mm/年の設計想定摩耗量より小さい値であった.
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