土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.30
海水中に積層された製鋼スラグからのアルカリ溶出に関する検討
金山 進肴倉 宏史水谷 聡加藤 嘉英髙橋 克則木曽 英滋平井 直樹宮崎 哲史
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2014 年 70 巻 2 号 p. I_1152-I_1157

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抄録

 製鋼スラグを干潟・浅場造成や深堀埋め戻し等の海域改善事業に利用する際には,これらが海域のpHに及ぼす影響を事前に予測評価することが重要であり,このためには海水中へのアルカリの供給量を把握する必要がある.スラグ固体表面からのアルカリ発生特性は物質自体に固有のものであり,限られたケースの室内実験で把握することができるが,これを海域に積層させた状態で供用した場合には積層空隙内でのアルカリの移流拡散というサブシステムが介在し,流速以外にも,粒径,空隙率や積層厚といった要因が影響するため,条件の多様さや縮尺の問題などから,全ての条件を室内実験で包含することは難しい.本研究では,固体表面からのアルカリ発生特性が判明しているスラグの積層内でのアルカリ挙動に対する解析モデルを構築し,既往の大型水槽実験結果に基づく検証を行うとともに,積層条件がアルカリ溶出特性に及ぼす影響について検討した.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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