2014 年 70 巻 2 号 p. I_169-I_174
本研究は,人工海底山脈による鉛直混合の実態を明らかにすることを目的に,現地観測および数値シミュレーションを実施したものである.人工海底山脈近傍に設定した測線上における観測結果より,構造物直上や下流側の海底から表層混合層下端までの範囲において,密度逆転や密度一様となる層が確認されるとともに,観測結果をもとに推定したエネルギー散逸率についても同じ領域において値が大きくなっており,鉛直混合が生じていることが確認された.また,観測結果をもとにした数値シミュレーション結果からも,観測結果と同様な鉛直混合が把握された.