抄録
日本海側に位置する島根原子力発電所では,敷地前面海域の活断層および日本海東縁部で想定される地震に伴い発生する津波について評価を行い,太平洋側で想定されるような巨大津波は想定されていないが,東北地方太平洋沖地震直後には,震源地付近の発電所で経験した巨大津波(遡上高TP+15m)をレベル2津波として評価を行い,これに耐え得る津波防波壁を設置することとした.
本稿では,非線形長波式を用いた数値解析によるレベル2津波の設定方法から,CADMAS-SURF/3Dを用いた数値解析による対策構造物に作用する設計外力の算定方法等について報告する.
また,数値解析によって設定した設計津波波圧および基準地震動Ssを用いて,発電所港湾のレイアウト等から合理的に設定した津波防波壁構造についても報告する.