抄録
インドネシアのBali海峡に面したPengambengan漁港周辺の海浜変形について衛星写真の比較,および現地踏査により調べた.この地域では,インド洋からの波が大きく斜め入射するため北向きの沿岸漂砂が卓越しているが,この沿岸漂砂が漁港防波堤により阻止された結果,漁港下手側海岸では侵食が著しい.対策として,米国のSanta Barbaraでのサンドバイパスなどと対照的に,日本の新潟県親不知漁港と同様,下手側に護岸を作る手法が採用されている.この方法を用いる限り港内堆砂が進む一方で下手侵食はさらに進む.港内堆砂と侵食を止めるにはサンドバイパスが必要である.