2014 年 70 巻 2 号 p. I_810-I_815
漁港の係留施設のレベル1耐震設計には震度法が用いられているが,今後の性能規定化に対応するため,港湾におけるレベル1耐震性能照査手法を素地として,要求される耐震性能を合理的に実現できる設計手法の検討を行った.漁港に多く見られる水深が浅い岸壁のモデル断面に対し,正弦波を作用させた二次元有効応力解析を行い,所定の変形量をもたらす加速度を周波数ごとに整理した.この結果に基づいて,周波数特性,地震動継続時間および許容変形量を反映させた照査用震度算定の考え方を取りまとめた.さらに,その考え方を用いて試設計した断面について,レベル1地震動を作用させた二次元有効応力解析を実施して,その妥当性を確認した.