2014 年 70 巻 2 号 p. I_816-I_821
港湾構造物の係留施設の桟橋は杭頭の剛性を高くしたうえで背後の土留めとは地震時にも荷重伝達が行われない前提で設計が行われるが,実際には荷重伝達が生じたこと等が原因で地盤内で座屈が生じた被災事例があり,杭頭の剛性を高くして地中部では剛性を減じるような設計法は常に適切とはいえない可能性がある.本研究では,桟橋の杭頭剛性や土留めとの境界条件が桟橋の耐震性能に及ぼす影響を解析的に検討した.杭の健全性については,桟橋と土留めがフリーという一般的ではない条件の方が曲げモーメントが小さくなるケースがあることが分かった.