2014 年 70 巻 2 号 p. I_924-I_929
岩ずりは排水性が高いことから液状化しにくい材料として,液状化対策を目的に岸壁の埋立て材に使用される.しかし,岩ずり地盤は水中への直接投入により造成されるため緩く堆積している場合があり,地震時に液状化は起こさなくても地震動の繰返しせん断により大きな沈下を起こす可能性がある.本研究では,このような岩ずりの動的特性を明らかにすることを目的として,各種の岩ずりを用いた一連の大型単純せん断試験を実施した.その結果,岩ずりの種類によらず,その体積収縮特性は,密度,拘束圧,繰返しせん断応力比に依存し,密度が低く,拘束圧が高く,繰返しせん断応力比が大きいほど,残留体積ひずみが顕著に増加することを明らかにした.さらに,岩ずりを水中投入した場合の湿潤密度・間隙状態についても確認し,岩ずりを埋立材に使用する際の将来の地震動による残留体積ひずみおよび沈下評価・予測に有用なチャートを提示した.