抄録
海岸鉄道では,高波時の越波によって道床の洗掘被害や車両の制動障害が発生することがある.本研究ではまず,縮尺1/40の水理模型実験を行い,護岸の直背後へ打ち込む越波の特性を明らかにした.さらに,越波の打ち込みを縮尺1/4の落水実験によって再現し,これを線路模型に作用させ,道床バラストの洗掘状況を把握した.
洗掘被害の対策工として,道床前面上にネットを被覆した場合のバラストの流出防止効果を調べた.また,鉄道線路の移設および防波壁設置による道床の洗掘被害の低減効果を検証した.越波による打ち込みに対しては,護岸背後3mの位置に線路を敷設し,高さ45cmの防波壁を設置した場合が,道床の洗掘被害の対策方法として最も有効であることを確認した.