抄録
津波計の観測データを用いたリアルタイム津波予測の分野でよく用いられる逆解析の手法の課題を解決することをめざして,データ同化手法の1つである順解析のアンサンブルカルマンフィルタを適用し,双子実験を行うことによりその有効性を検証した.ここではJAMSTECのDONET2の海底津波計が設置されている海域を対象領域,内閣府の南海トラフの巨大地震モデル検討会が想定したケース(3)を対象津波として数値実験を行った.その結果,和歌山県・徳島県の南部では,現段階ではDONET2の津波計だけでは津波到達前に精度の良い予測はできなかったが,それよりも北部の地点では20分の観測時間で精度の良い予測ができることが明らかとなった.このことより,アンサンブルカルマンフィルタの手法を用いてもリアルタイム津波予測は可能であると言える.