土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.31
砂浜海岸における港湾建設後の生物組成の変化について:七里長浜港の事例
山本 和司佐藤 高広小田桐 勝則川村 昌弘東 信行
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2015 年 71 巻 2 号 p. I_892-I_897

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抄録
 七里長浜港では,北東側の沿岸域において砂浜の侵食が著しく,その要因の一つとして,港湾建設による漂砂の遮断が考えられている.そこで,砂浜の侵食が著しい七里長浜港の北東側沿岸域約3kmを対象にA~Cの3領域に区分し調査を行った.平成23~26年度にかけての深浅測量及び平成26年度の生物調査の結果,港湾に最も近いA領域では,著しい堆積(最大4.23m)が確認され,サクラガイやヒラメ科等が多く確認されたことから安定した砂地が形成されていると考えられた.汀線が海食崖のB領域は,平成23年度からの変化量が少ないことから,近年では砂浜の侵食は止まりつつあり安定化してきていると考えられた.一方で,港湾から最も離れているC領域は,著しい侵食は見られないものの,生物の確認数が少ないことから不安定な環境であると考えられた.
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© 2015 公益社団法人 土木学会
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