抄録
2011年3月に発生した東日本大震災による津波によって,東日本の沿岸域は甚大な被害を受けた.特に宮城県仙台平野沿岸域のクロマツを主体とした海岸林は,広い範囲で被害を受けた.高い空間分解能を有し土地被覆の変化現象を詳細に調査することができる高分解能衛星リモートセンシングの被災地への長期モニタリングはまだ十分になされていない.ここでは,高分解能衛星リモートセンシングによる詳細な画像判読と高い空間分解能を有する植生指標値分布の解析および現地観測から宮城県仙台平野沿岸域の海岸林の被災前後および2年経過後の変化過程を調査した.対象海岸林の被災前から被災直後,被災から2年後の時系列変化過程が詳細に示された.また,時系列的な正規化植生指標値により海岸林の変化プロセスを評価することができた.