抄録
2011年の東日本大震災において防波堤が津波によって被災した.そこで,ケーソン式防波堤を鋼管杭と裏込め材で補強した構造形式が提案されている.この構造形式に用いる鋼杭の曲げ剛性の合理的設計に資するべく,実物の1/60のスケールで,模型気中載荷実験を行った.本研究では,鋼杭の曲げ剛性の違いによるケーソンの補強の効果の変化を検討した.その結果,ケーソンの抵抗力の発揮には,ケーソン奥行方向の鋼杭の全体剛性が影響することがわかった.また,鋼杭の曲げ剛性が異なることによってケーソンから杭に作用する荷重分布にも違いがみられることがわかった.