抄録
韓国西岸に位置する始華潮力発電施設は,大潮時に9 mにも達する大きな干満差を利用して発電を行う施設である.潮力発電所では,満潮時前後の湖外から湖内に海水を取り込む際に発電を行っており,干潮前後に湖内から湖外に排水を行っている.
本報告では,潮力発電所排水時に,水門から約2 km沖側においても2 m/sを超す強い流れが観測されたことを紹介する.また,流況シミュレーションによる潮汐・潮流と潮力発電所排水時の流れの再現結果から,排水時の強い流れは,水門から帯状に沖に向かって伸びており,潮時に伴い流軸が変化していたという点を紹介する.再現モデルの感度解析から,大規模な排水施設の流況のアセスメントにおいて,地形近似精度を確保する必要性がある点と人工粘性を大きくする差分スキームは適さないという点を明確にした.