土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.32
微生物機能を活用したセメント改良土の劣化抑制技術に関する検討
三原 一輝末次 大輔笠間 清伸畠 俊郎
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_414-I_419

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抄録

 近年,セメントを用いた固化処理工法が盛んに利用されているが,セメント改良土は海水に接触すると,固化成分であるカルシウム(Ca)が海水中に溶出し劣化することが既往の研究から明らかになっている.そこで,本研究では,海水曝露条件下における劣化と温度の関連を明らかにするとともに,微生物由来の尿素加水分解酵素を利用し,セメント改良土から溶出するCa分をCaCO3としてセメント改良土中に再固定する新しい劣化抑制技術について検討した.試験の結果から,セメント改良土は海水曝露される温度条件が高いとより劣化が促進されること,微生物機能を利用すると温度条件に関わらずCaの溶出を抑制することが明らかとなった.以上より,セメント改良土の海水環境下での劣化抑制技術として微生物機能の併用が有効であると考えられる.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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