抄録
石炭灰と高炉セメントB種を混合し,造粒・固化した海砂代替材(石炭灰造粒物)がリサイクル材料として製造されている.港湾工事用のサンドコンパクション材や海域の覆砂材として活用され,その適用範囲が拡大されることにより循環型社会形成への寄与が期待される.海砂代替材は,石炭灰とセメントおよび水の化学反応により硬化しており,天然材料と異なり長期的な化学反応および,緩やかであるが海水中での浸漬に伴い組成物質が変化すると想定される.しかし,石炭灰とセメントの配合比率に基因する長期的な化学反応特性と海域で長期間浸漬した場合の経時的な組成変化は十分に明らかにされていない.本研究では,この海砂代替材の配合比率による化学組成の変化と海域で長期的に浸漬した後の組成物質の最終形態を明らかにした.