土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.32
伊勢湾の自動水質観測装置を用いた植物プランクトンの大量発生予測システムの開発
田中 陽二杉本 佑奈
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_970-I_975

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抄録
 富栄養化した閉鎖性海域ではしばしば赤潮が発生し,漁業被害に発展する場合もある.本研究の目的は,水質自動観測データと気象データを使用してリアルタイムに植物プランクトンの大量発生(赤潮)を予測するシステムを構築することである.赤潮予測システムは実用性を考えて,当日の6時から18時の水質・気象データから翌日の赤潮発生を予測するものとした.予測システムの構築にあたって,赤潮発生情報と水質データの比較により,赤潮は表層溶存酸素濃度が150%以上と定義することを提案した.また,表層水温・表層塩分・海上風速・全天日射量が赤潮の前兆現象として確認され,それぞれのSIモデルを提案した.当初の赤潮予測システムは,連続して発生する赤潮の予測が困難であったが,改良された赤潮予測システムの予測適中率は59%(通常の赤潮発生率の2.8倍)であり,実用的なレベルであると判断された.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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