土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.33
鋼矢板を用いた堤防補強構造の3次元挙動に関する数値解析
藤原 覚太高浜 宏輔山中 雄太八嶋 厚
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_138-I_143

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抄録
 地震や津波に対する減災技術として,地盤が液状化しても堤防高さを保ち津波が到来しても全壊に至らない「粘り強い堤防」が必要とされている.著者らは,海岸堤防の補強工法として,既設堤防の両法肩から鋼矢板を鉛直に挿入し,さらに鋼矢板と直角方向に鋼矢板(以下,隔壁)を等間隔で設置する工法を提案しており,地震時における堤防の変形や損傷が大きく抑制されることを確認した.しかしながら既往の研究は,本来は鋼矢板が組み合わさった3次元構造である本構造を,堤防延長方向に同一断面が連続すると仮定した2次元解析モデルを用いて検討している.そこで本研究では,堤防延長方向の挙動を考慮するため,隔壁の設置間隔に着目した3次元液状化解析を実施した.その結果,隔壁の設置間隔が大きくなることで二重鋼矢板などの構造部材は3次元的に挙動し,矢板に囲まれた地盤内の過剰間隙水圧が低減するといった,従来の2次元解析では追跡できなかった新たな挙動を確認した.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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