抄録
那覇空港増設滑走路の誘導路下部では海水交換を目的とした大型の管路の建設が予定されている.この管路は延長が280mあり,複数のボックスカルバート(以下BoxCと記述)で構成される.BoxCは捨石マウンドの上に設置され,その周囲に裏込石と埋立砂が設置される.この際,埋立砂が吸い出されないように,裏込石と埋立砂の間には防砂シートが敷設されるほか,それぞれのBoxCの接続部(目地部)には防砂板が設置される.これらの防砂シートと防砂板の設計にあたっては,作用する波圧を求める必要がある.しかし,波浪が静水面下にある延長の長い管路や裏込石内部を伝播する現象は特殊であり,また設計有義波も2.8mと大きいため,水理模型実験と数値計算により,管路および裏込石を伝搬する波圧,流速の特性を明らかにすることとした.