抄録
本研究では,2016年に国土技術政策総合研究所から発行された「人工リーフ被覆ブロックの波浪安定性能評価のための水理実験マニュアル」に則り,六角形の孔を有するハニカム構造被覆ブロック(ハニカム型ブロック)を用いて水理模型実験を行い,ハニカム型ブロックの波浪安定性と水深波長比h/Lが安定数Nsへ与える影響を評価した.実験の結果,ハニカム型ブロックは既存のブロックと比較して,安定数Nsが高いことが示された.また,h/Lが小さくなるほどNsは小さくなり,h/Lが安定性へ影響を及ぼすことがわかった.さらに,天端水深沖波波高比が高いとき,人工リーフ岸側における波高伝達率は,矩形ブロックよりも低い値を示した.変状連鎖を調べた結果,砕波位置を起点に変状連鎖が生じた.砕波帯内においてもハニカム型ブロックは,高い安定性を有していた.