抄録
港湾内に係留される船舶の荷役限界波高の算定では,通常は係留船舶の動揺6成分に対する荷役許容動揺量として港内長周期波影響評価マニュアルによる提案値を採用している.しかし,海洋上の離島港湾のように海象条件が厳しく一般的な係留方法や荷役方式を採用していない係留施設では,荷役限界波高の算定において,現地での荷役作業時の判断基準を参考にして荷役許容動揺量を設定するとともに,船舶の動揺量に加えて係留索の張力等も考慮する必要があると考えられる.そこで,本研究では,沖縄本島の東方に位置する南北大東島の港湾を対象として,係留船舶の動揺計算手法を用いて,外洋波浪の影響を直接受ける係留施設における荷役係留時の船舶の荷役限界波高の算定方法について検討した.