2018 年 74 巻 2 号 p. I_1030-I_1033
東日本大震災では,多くの海岸・港湾構造物が設計時の想定を上回る外力によって被災した.そのため,設計を超える外力が作用しても一気に変形が進行しない,いわゆる「粘り強い構造物」の考え方に基づくさまざまな構造形式が提案され,その一部はすでに実用化されている.今回の特別セッションでは,粘り強い構造の基本的な概念を再整理するとともに,粘り強い構造を考慮した設計・施工事例の紹介,新たな構造形式の提案など,幅広い議論を行うことを目的として,4件の論文発表とパネルディスカッションが行われた.論文発表や討論を通して,「粘り強い構造物」を実務に反映させるための重要な知見および課題が抽出された.