2018 年 74 巻 2 号 p. I_844-I_849
近年,港湾構造物の耐震設計では動的数値解析の地震時変形量によって性能評価がなされており,サンドコンパクションパイル工法(SCP工法)による締固め改良地盤に大きな変形が生じるという解析結果が得られる場合が多い.一方で,液状化対策として実施したSCP改良地盤の被害報告はなく,その改良効果が確認されている.このことから,計算結果と実現象には差がある可能性があり,その要因は砂杭と原地盤の複合地盤であるSCP改良地盤の応力状態が複雑で評価が難しく,数値解析では適切にモデル化できない現状が背景にあると考えられる.その1つが実際の改良地盤で確認されている静止土圧係数K0の増大である.本研究では,遠心模型実験でケーソン式岸壁模型のケーソン背後の締固め改良地盤にK0増大を再現し,改良効果の検証を行った.その結果,地盤の種類にもよるが,密度増加に加えK0増大の効果を確認できた.