抄録
海洋空間の利用や海底資源開発の必要性に伴い,深海底地盤の安定性評価が地盤力学的に重要な課題となりつつある.安定性について検討するためには,原地盤の圧密特性や強度と剛性の把握が必要となる.しかし,地上とは異なり海洋底から採取される土試料は,超高圧化に存在し,間隙水中には多くの溶存ガスを含むため,溶存ガスの気化に伴うサンプリング時の乱れの影響が無視できないと考えられる.そこで,溶存ガスの状態変化を考慮できる数理モデルを用いて,より精微にサンプリング過程をシミュレートすることで,溶存ガスの状態変化が採取試料の力学挙動及び力学試験結果に及ぼす影響について検討した.その結果,サンプリングにより試料は不飽和化及び過圧密化し,原位置における圧密特性及び非排水強度を誤って評価する可能性があることが分かった.