2019 年 75 巻 2 号 p. I_1007-I_1012
鮮魚の多くは,漁獲後,氷等により魚体温を低下させ,その状態を保持しながら漁港で陸揚げされる.鮮度保持のためには,消費地まで低温で流通する必要がある.しかし,漁港では,選別,計量時に氷は取り除かれ魚体温は上昇する.その後は氷等により低温状態で出荷されるが,この魚体温上昇が鮮度に,どのような影響をおよぼすかは不明である.
本研究では,ゴマサバを対象とし,鮮魚の昇温リスクを鮮度に関する指標から示すとともに,昇温リスクを回避するための漁港施設配置計画について検討を行った.その結果,より高鮮度・高品質の鮮魚を出荷するためには,漁港での低温管理が重要であることが確認でき,施設配置計画にあたっては,作業時間の短縮と容易な氷の供給を図ることが必要で,そのために最も重要な荷さばき所と製氷・貯氷施設の配置計画について提案した.