2019 年 75 巻 2 号 p. I_193-I_198
干潟保全の重要な因子とされる細粒分の動的特性解明の一環として,砂粘土混合土から成る地形の変動に着目した水理模型実験を実施し,波浪条件と粘土含有率による混合土砂地形の変動特性と,粘土の空間分布が混合土砂の漂砂特性に与える影響を検討した.その結果,粘土を含む混合土砂では,地形形成過程において粘土の粘着力の影響により,地形変動を遅延させる効果があった.また,比較的高い粘土含有率条件下では,地形変化を大きく抑制することができ,その際の地形変動特性は砂には見られない地形形成過程が示された.さらに,混合土砂の侵食は,粘土の流出後に砂が移動することで生じ,砂は侵食された混合土砂上で砂連の形勢と消失を繰り返し,被覆された混合土砂地盤の侵食を抑制する効果を有することが示唆された.