2019 年 75 巻 2 号 p. I_623-I_628
沖縄本島中西部に位置し,東シナ海に面した残波岬周辺において,2018年11月26日現地踏査を行い,汀線に沿った区域におけるサンゴ礁起源の砂礫の堆積状況を調べた.前浜底質の粒度やバーム高の実測値を与えた上で,リーフエッジ付近に仮想的に盛った砂の,波による移動状況を粒径の変化を考慮可能なBGモデルを用いて計算した.残波岬ではNNW方向からの高波浪とSW方向からの波が入射するが,これら2方向の波の作用があることにより,北部リーフエッジ付近から汀線へと砂が運ばれ,現況の前浜が形成されうる可能性が明らかになった.