2019 年 75 巻 2 号 p. I_635-I_640
海岸砂丘を横切って汀線へと達するアクセス小道の幅と方向が様々変化する条件でのblowoutの形成をセルオートマトン法を用いて予測し,blowoutを起こさずに済むアクセス小道の設置方法について考察した.その際,汀線へ達するアクセス小道の幅が狭く,またその両側に植物が密生しているため飛砂が抑制されている宮古島の砂山ビーチを実例として取り上げた.この例では,小道の両側が亜熱帯植生により密に覆われており,アクセス小道への飛砂防止が効果的になされていることが明らかになった.また,後背地への飛砂が著しく,砂丘を横断する小道からblowoutが形成された野手海岸の例も調べた.これらの実例を参考に,計算によりblowoutを起こさずに済むアクセス小道の設置方法を示した.