2019 年 75 巻 2 号 p. I_887-I_892
浚渫土と製鋼スラグを有効活用したカルシア改質浚渫土の定量的な汚濁発生量と汚濁拡散・沈降特性を明らかにすることを目的とし,室内および現地(関東地方整備局京浜港ドック)において,土質性状および投入方式による発濁特性を試験した.土質性状は改質土の流動性(スランプ)に着目した.投入方式は水面での土運船直接投入と水中でのグラブ降下投入を想定した.室内試験では好適スランプ範囲内(スランプ値1-7cm)の場合と,グラブ降下投入の場合に汚濁が抑制された.現地試験では室内での試験結果をもとに潜堤築造時の発濁状況を試験した.その結果,室内試験と同様,好適スランプ範囲内の場合と,グラブ降下投入の場合に汚濁が抑制された.以上より実施工においてもカルシア改質浚渫土の汚濁はスランプ値と投入方法により抑制可能であると考えられた.