土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.36(特集)
津波防潮壁に作用する段波波力の低減対策
本田 隆英織田 幸伸伊藤 一教橋本 貴之
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_186-I_191

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抄録

 防潮壁に作用する津波波力は,津波衝突時の段波波力と浸水深増大時の重複波力に大別される.このうち段波波力は評価方法が確立していないのが現状であり,段波波力を低減でき,重複波力が支配的となれば,重複波力の算定手法により津波波力の評価が可能となる.そこで,本研究では段波波力の低減を目的として,防潮壁前面に設置する突起対策工を提案し,同対策工による低減効果を水理模型実験および三次元数値解析により検証した.突起対策工の設置により,打上り水塊が着水時に分散することで,段波波力を低減できることが確認された.ただし,津波波形や対策工の長さによって対策工の波力低減効果に違いが見られたため,対策工の長さ等の形状や寸法は,津波波形や打上りの規模に応じて適切に設定する必要があることが分かった.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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