2020 年 76 巻 2 号 p. I_192-I_197
防波堤の耐津波性能の向上を目的として,杭と中詰土によって補強を行う鋼杭補強防波堤工法が提案されている.本研究では,模型気中水平載荷実験を実施し,補強に用いる杭の根入れ長さの違いによって,杭の挙動にどのような影響が生じるか検討した.その結果,根入れ長さの違いによって,ケーソンの補強効果が異なることが分かった.また,根入れ長さの違いは,杭のそのものの挙動の違いに影響を及ぼし,最大曲げモーメントの大きさが根入れ長さの影響を受けることが分かった.杭の下端まで曲げモーメントが生じるような根入れが不十分な場合でも,想定する荷重によっては根入れの十分なものと同程度の補強効果が得られることが分かった.