2020 年 76 巻 2 号 p. I_198-I_203
本研究では,越波量・うちあげ高の沿岸分布を街区単位の精度で予報できるシステムの構築を目指した検討を行った.まず,モデル地区である駿河海岸の潮位,波浪観測データを一定の精度で再現できる波浪・高潮推算モデルを構築した.次に,この推算モデルによる推算結果を短時間で,かつ高精度に再現できるDNNを構築した.そして,DNNによる出力結果と推算潮位から,IFORMにより越波量・うちあげ高を算定するシステムを構築した.このシステムを用いて,駿河海岸令和元年台風19号に適用し,妥当性を検証した.結果,潮位偏差,波浪,現地の越波の概況を再現できた.