2020 年 76 巻 2 号 p. I_294-I_299
海岸侵食抑制のためには,河口,湖口(インレット),漁港,港湾,そして,突堤周辺における砂のバイパス現象の解明が必要である.漂砂下手側の海岸侵食を低減するため,人工構造物を使い沿岸漂砂の上手から下手側に強制的に砂を迂回させるサンドバイパス工法が用いられる場合がある.宮崎海岸では大規模な海岸侵食が進行しており,海岸保全構造物の設置と養浜が継続的に行われている.しかし,現在でも年間20万から30万m3の土砂が宮崎港側に流出している.一方,沿岸漂砂上手側の一ツ瀬川河口には,砕波帯を超える長さの導流堤(築造時)が設置され,導流堤建設前に生じていた砂のバイパス量と比べて十分なバイパス量が確保されていない可能性がある.そこで,本研究では,海岸侵食に悩む宮崎海岸の中・長期的な海岸保全を検討するために,宮崎海岸北端に位置し河口部に導流堤が築造されている一ツ瀬川河口部付近における砂のバイパス現象の解明と,漂砂下手側海浜の海岸保全に関し,現地調査ならびに空撮画像や数値モデルに基づき考察を行うことにした.