2020 年 76 巻 2 号 p. I_288-I_293
九十九里浜南部に位置する一松海岸では,侵食対策として大型フトン篭製の護岸が設置されてきたが,この護岸は高波の作用を受けるたびに破壊され,そのたびに復旧が行われてきた.しかし復旧された護岸は2019年秋季の波浪により再び破壊された.護岸の破壊状況を調べたところ,大型フトン篭では篭の中に石を詰めて護岸とされているため,個々の中詰め石にかかる波力により鉄線篭が破れ,中詰め石の散乱を招いたことが分かった.一方,鉄線篭から流出した中詰めの礫は1/2の急勾配をなして海岸線付近に安定的に堆積し,あたかも礫養浜と同様な効果が得られた.これらより一松海岸での今後の対策としては大型フトン篭に代わり,礫養浜が望ましいことが分かった.