2020 年 76 巻 2 号 p. I_354-I_359
漂砂現象が著しい砕波帯に位置する漁港は,航路・泊地の埋没が顕著に発生しており,円滑な施設の利用面で大きな課題が生じている.対策に向けた一検討手法として地形変化シミュレーションがある.その際の外力条件として年最大波などが設定され,漁港周辺における地形変化の再現性はそれなりの精度を有している.しかし,筆者の経験として,港口や港奥での土砂堆積の再現は難しく,その一要因が長周期波成分の影響ではないかと考えている.本研究では,北海道の内浦湾に位置する漁港を対象として,波浪・砂面観測などの現地調査を実施し,港内および周辺の土砂移動特性と外力の関係について検討した.また,地形変化シミュレーションの外力条件として長周期波成分の設定に向け,沖側での長周期波スペクトル形状を風波スペクトルから算定・提案した.