2020 年 76 巻 2 号 p. I_564-I_569
漁港施設の水中部分の点検は,潜水士による目視調査を主体にして行われている.そのため,潜水士の技量により,目視調査結果はバラツキが生じやすく,客観性に欠ける場合が多い.防波堤などの長大な施設の点検は,多大な労力や時間を必要とすることから,効率的な点検手法が要請されている.本論では,水中部の点検手法の高度化を図るために,水中部分の変状を詳細に観測できる水中3Dスキャナーに着目し,水中3Dスキャナーを用いた点検手法を検討した.主な結果は以下の通り.①被覆ブロックの移動・散乱や鋼構造物の損傷などを精度良く観測できた.②環境変化が大きく,劣化が進みやすい施設水面付近の観測が可能であった.