2020 年 76 巻 2 号 p. I_630-I_635
著者らは, 高圧脱水固化処理装置を用いて, 高含水比の浚渫土砂をブロックとして利用する技術開発を行っている. 本論文では, 2種類の浚渫土砂を用いて夏期と冬期の異なる時期に作製し, 異なる条件で養生した浚渫土砂ブロックの長期強度について調査した. 得られた結論をまとめると以下のようになる. (1) 固化処理土ブロックの含水比は, 養生日数の経過に伴い養生2年経過で約10%減少した. (2)高圧脱水固化処理土ブロックは, ブロック内で含水比と強度にばらつきがみられた. ブロックの両端で含水比は25~30%, 一軸圧縮強さは10MPa以上の差が生じた. (3) 固化処理土ブロックは, 水中養生することで強度増加がみられ, 養生2年で10MPa程度まで増加した. (4) 固化処理土ブロックの水セメント重量比が小さいほど一軸圧縮強さが増加し, 水中養生したブロックでより高い相関がみられた.