2020 年 76 巻 2 号 p. I_756-I_761
我が国の沿岸域には,高度成長期に発生した浚渫窪地が多数存在している.窪地は貧酸素水塊や青潮の発生源として周辺海域に悪影響を及ぼしているとの指摘もあり,各地で窪地の埋め戻しが進められている.一方,閉鎖性内湾における環境修復を着実に進めるためには,窪地埋め戻し材の確保が重要である.ゆえに,これまでの港湾工事から発生する浚渫土砂のみならず,受入要請がある河川・道路工事等の発生土砂を有効かつ効果的に利用することが不可欠である.しかしながら,様々な発生源の土砂を利用する際の品質管理については,いまだ確立されたものがない.本研究では,大阪湾における窪地修復の実績を踏まえ,多方面から発生する土砂を有効活用する際に,品質管理に重点をおいた全体的な順応的工程管理手法を提案した.